古本屋の修業先は古本屋

古本屋の修業先は古本屋、今回ある事がきっかけで、この至極当り前の事実を想い出した。

私は若い頃古本屋という商売を継ぐ積もりが全く無く、東京の大学で工学部を卒業後、特殊な測定機関係の製造会社に就職していた。
30歳を目前に祖父が他界した折、古書業界の方々のお奨めもあり店を継ぐ決心をし、ご同業より神田神保町の修業先をご紹介頂き、4年半程の丁稚奉公をして幾ばくなりとも古書に関する修行を積ませて頂いた。

さて話は変るが、皆さん「弁護士のくず」ってご存知ですか?
「弁護士のくず」は漫画家井浦秀夫氏の作品で、小学館のコミック誌「ビッグコミックオリジナル」に連載されているが、これが4月からTBS系列にてTVドラマ化されたのをご存じの方も多いと思う。
実は私はこれまでこのドラマを見ていなかったのだが、先日修業先の古書店の先輩に当るUさんから、メールを頂戴した。

と、ここまで書けば、勘の良い方ならば「はは〜ん」と膝を打っているところであろう。

そう、Uさんによれば、ドラマの中でモト冬樹演ずる法廷マニアで九頭の飲み友達の古本屋「国光裕次郎」の店「国光古書店」が(正確にはロケ先が)なんとその修業先だった店なのだと云う。

という訳で、先日慌ててドラマを拝見した。
Uさんによれば「毎回10時半頃ほんの30秒程しか映らないから、眼を離しちゃ駄目だよ」とお聞きしていたので、喰い入る様に眺めていたら、なんと修業先の書店の店内が映っているではないか。

本当に短いカットではあったが、懐かしさの余り思わずテレビに齧り付く様に見入ってしまった。
社長(勿論モト冬樹ではない事は云うまでもない)はお元気でいらっしゃるだろうか?
申し訳ない事に、随分ご無沙汰してしまっている。
来週もこのカットのためだけに、また見てしまいそうだ。

石川の古本屋のエントリに画像を付ける操作に馴れていないので、こちらで画像付でご紹介している。

修業先での思い出話などはいずれ機会があれば…